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時には音の話を。                                    ~フォックス・アンダーソンの事件簿 後編

2015.12.01.10:47

昨日に続いての更新。
長いって?
……すみません……
ついつい、勢いがついてしまったんだもの…


・児玉の正体
       「殺すっていうのは、こうですよ」

序盤の押し殺すような緊張感と、後半の荒々しさが増す部分。
両方使いたいという我がままを通すために
一曲を真っ二つに区切って準備しておいて
フォックスのピンチに鳥川が飛び込んできた瞬間、曲も戦闘モードにチェンジ。
半ば自己満足の世界ですけどね…ははは…

役柄は無敵でも、中身は普通の女子である渡辺さん。
高さのある窓から颯爽と飛び込んでくるにはあまりにも厳しい状況でしたが
なんと本番はかっこよく飛び込んで現れました!
役者魂か??トリックか??(笑)
彼女を信じて、この飛び込みを狙っておいてよかったです。



・わかっていた
       「そう、わかっていた!」

鳥川が気力を振り絞って立ち上がる気持ちを後押しする曲。
間が抜けたタイトルになっていますが、すみません。
ホールに入った後に曲の変更オーダーがあって、新たに追加した曲なので
もう、色々余裕がなくて。
「あの、鳥川の」「武蔵の前のやつ」とか、散々な言われ方をしていた曲です。
可哀そうに。クライマックスなのに。

スケジュール的にギリギリで、もう頼りになるのはあなたしかいない!!と
私の(一方的な)心の師匠である作曲家さんの曲を持ってきました。
彼ならなんとかしてくれるという(一方通行な)信頼に応えていただきました。
ドラマチックな曲、繊細な曲、不安を誘う曲…
どれも何故か私のアンテナに引っかかってくるんですよねー
これが恋なの!?みたいな(←違う)。



・ムサシ見参
        「成功したーーーーー!!」

こちらが本物の宮本武蔵。
同じテイストを残しつつ、圧倒的に格好いい方向へ舵を切りました。
役者と照明と効果音、そして音楽が全部揃ったときには
本当にカッコいいシーンになったと、自負。
自画自賛しまくりです。

ちなみに、原曲は2/3以上が渋~い三味線パートで構成されています。
もちろんそれも格好いいのですが、今求めるのはそれじゃない(泣)
ということで、イントロと後奏をくっつけるという小細工をしています。
最近はパソコン編集が主流になっていますが
この曲は耳で聞きながらMDのみで編集しました。無駄な職人芸です。
でも、つなぎ目が分からないように繋げた時の達成感と言ったら…ふふふ
マニア心をくすぐって止みません。



・鳥川の推理
       「それを推理してはいけない」

台本が決まった当初、私のコンセプトは「探偵もの」=ジャズ、でした。
途中あちこち浮気しましたが、最後くらいはジャズで。
この曲に出会えてよかったです。

エンディングとしてはどうかなと、少し思いました。
すっきり気持ちよく、あー終わった!と思える曲じゃないかもしれないなと。
でも、フォックスと鳥川は少し歩み寄ったけど
いきなり素直になれる訳でもなく
なんだかんだ言いながらも一緒に事件を解決していくのかなと。
事件は解決したけど「フォックス・アンダーソンの事件簿」はまだ続く…
と、いいな。
そんな思いをこめての選曲です。
まあ個人的解釈ですが…
鳥川、もしかするとあっさり相棒解消しちゃうかもしれませんが…

ちなみにこのラストシーン
台本には「フォックスの目が優しく光る」と書いてありました。
それで当初、素直に「優しく光る」ためのMを探そうとしたんです。
してたんですよ、一応。
でも、稽古を見ていて、どうも優しく光る気がしなくて(苦笑)
独断でそのト書きを見なかったことにしました。
すみません、勝手なことして本当にごめんなさい。
優しく光らせるつもりだった清水さんとか演出さんとか照明さんとか
きっと困ったに違いない。
それでも照明さんが、窓から朝日が差し込む素敵なラストシーンにしてくれて
本当に嬉しかったです。
照明チーフの山下さん、ありがとう!




お芝居、楽しんでいただけましたか?
お芝居を楽しんでいただければ何よりです。
そして、一つでも印象に残るシーンがあって
そこに音楽がしっくり溶け込んでいたなら
気分は勝ち越しです(笑)

以上、音響チーフの独り言でした。
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子育てとか芝居とか猫いじりとかしています。

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